税務業務とは?税理士が行う業務を解説

税務業務は税理士の独占業務であり、税理士以外は行えません。
では、税務業務とは具体的にどのような業務なのでしょうか。
この記事では税務業務の内容を詳しく解説します。

税務業務とは

税理士の独占業務である税務業務には、次の3つの種類があります。

  • 税務の代理
  • 税務書類の作成
  • 税務相談

それぞれ詳しく見ていきましょう。

税務の代理

税務の代理とは、依頼者が行うべき税務を税理士が本人に代わって行うことです。
具体的には次のような業務の代理を行います。

  • 個人の確定申告
  • 法人の決算
  • 相続税など各種税金の申告
  • 税務調査の立ち合い

各種税金の申告

確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得や所得税額などを計算し、翌年の申告期間中に申告する手続きです。
個人事業主や複数の所得がある人は、納税のために確定申告を行わなければいけません。
そのほか、ふるさと納税や医療費控除などの適用を受ける際にも確定申告を行います。

決算は一定期間の収入や支出を計算し、決算日時点の財務状況を確定させる業務です。
法人は決算を行い、法人税の申告を行う義務があります。

相続が発生した時には、相続税の申告が必要になることもあります。
相続税の計算には、相続財産の評価や各種控除の適用などを行わなければなりません。
税理士はこれらの業務を代行し、納税額の計算や申告を行えます。

税務調査などの対応

税務調査が行われる場合には、税理士がその場に立ち合い、依頼者に代わって対応することも可能です。
税理士は税務職員からの質問に回答することや、必要書類の提示などを行えます。
また税理士であれば、税務調査に必要な書類を不足なく事前に準備できます。
税務署の処分に不服がある場合には、税理士による不服申し立ても可能です。

税務書類の作成

税務書類の作成とは、納税者本人が作成すべき申告書などを税理士が代わりに作成することです。
税額の計算・申告といった税務の代理を依頼する際には、合わせて申告書の作成も依頼することが一般的です。
税理士が作成できる税務書類には以下のようなものがあります。

  • 確定申告書
  • 決算書
  • 各種税金の申告書
  • その他、税務署へ提出する書類

確定申告書や決算書の作成

確定申告書の作成には、現金の収支に関わるさまざまな資料が必要になります。
とくに青色申告を行う場合には、複式簿記の帳簿が必要です。
税理士は確定申告書だけでなく、必要な帳簿や添付書類の作成も可能です。
決算書は以下の書類をまとめたものです。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表

決算書の作成には、総勘定元帳などの帳簿が必要になります。
税理士は決算書の作成のほか、必要な帳簿の作成も行えます。

その他税金の申告書の作成

相続税や贈与税などの申告書の作成も税理士に依頼できます。
相続税の控除を受ける場合には、相続税の計算書だけでなく、控除に関する計算書も作成する必要があります。

税務署へ提出する書類の作成

税金の申告だけでなく、税務署へ提出する申請書や届け出書の作成も税理士へ依頼できます。
税務署へ提出する書類には、個人事業の開業届や納税猶予の申請書などがあります。

税務相談

税務相談とは、税務に関わる具体的な相談のことです。
たとえば具体的な納税額を計算してアドバイスすることは、税理士でなければ認められていません。

節税の相談

税金にはさまざまな控除が存在します。
税理士は、相談者が「控除の対象となるのか」「控除される金額はいくらか」といった具体的な相談に乗ることが可能です。
とくに相続税や贈与税は、どの特例を使うかによって納税額に大きな差が生まれます。
想定される納税額を具体的に計算し、どのように相続または生前贈与していくべきか助言できます。

事業についての相談

個人事業主と法人では、税金の制度にも違いがあります。
個人事業主として事業を行っていても、経営状況によっては法人成りした方が良い場合もあります。
事業について税理士に相談することで、具体的な数字をもとに法人成りするべきか否かを的確に判断できます。

経理や経営に関する相談

税理士には、帳簿の付け方など経理に関する相談も行えます。
経理業務を行っていると、取引内容によっては、どのような勘定科目で処理するか判断に困る場面が出てきます。
そのような際に、適切な処理方法について相談可能です。

また資金繰りや経営について相談することで、税務面を考慮したアドバイスを受けられます。
たとえば借入金の返済は経費として認められません。
返済の仕方によっては、利益の大きさと手持ち資金のバランスが悪くなる恐れもあります。
さらに、利益が大きいほど法人税の支払いは高額になります。
税務相談を行うことで、手持ち資金や納税額を考慮した資金繰りのアドバイスを受けられます。

まとめ

この記事では、税理士の独占業務である税務業務について解説しました。
税務業務を依頼できる相手は税理士のみです。
税金の申告や税に関する相談は、税理士までお問い合わせください。